「バッハ」と「コーヒー」。
両者のつながりにピンとくる方は、かなり音楽に造詣が深い方でしょう。
実はバッハが活躍した17世紀のドイツではコーヒー人気が高まり、バッハ本人もコーヒーを愛飲していました。
彼はコーヒー店で演奏をすることも多く、自作のコーヒーの曲まで作っていたというからコーヒーへの愛情が伺われます。
そんなバッハが作ったコーヒー讃歌が、通称「コーヒー・カンタータ」。
彦根の住宅街に佇む、とあるカフェがそんなコーヒー愛にあふれる曲名を店名に冠しているというので、今回は訪れてみました。
まるで小さな美術館を想起させる印象的な建築

建物の側面に伸びる印象的な四角柱の造形。
まるで美術館を思わせるような連続した柱が訪れた人の目を惹きます。
店舗の入り口は丁寧に整えられた程よい装飾で、ついつい店内に足を踏み入れたくなってしまいます。
初めて訪れたカフェに入るこのワクワクする瞬間がたまりません。
ヴィンテージ感溢れる最高の空間に酔いしれる

カランとドアを開けると、ふわりと香るコーヒーの香り。
芳醇な香りを感じながらお店に入れば、そこにはヴィンテージ調のインテリアを整然と配置した魅力溢れる空間が広がっています。
空間としてひとつの完成形を提示するかの如く隙の見当たらないインテリアは、あまりに美しく、思わず感嘆がもれます。

窓際にも世界観を踏襲した調度品がセンスよく配置されています。
静かにジャズの流れる空間は、何時間いてもくつろげるほど居心地がいいです。

生花がマグカップに活けられていました。
派手すぎない花が実に程よく、素敵です。
産地から選ぶストレートコーヒーの数々
coffee CANTATA では産地にこだわったストレートコーヒーが多数取り揃えられています。
「酸味」と「苦味」を指標としたおおよその味わいをわかりやすく星の数で示しているので、コーヒーにはそれほど詳しくない人でも自分好みの一杯を見つけやすくなっています。
メニューは以下のような感じでした。
(画像をクリックすると拡大表示されます)
トーストやサンドイッチなどの軽食も用意されています。
ちょっと小腹が空いたときなどに利用するのもいいですね。
香り高いコーヒーとともに、モーニングを

この日は朝いちばんで訪れたので、コーヒーにモーニングセットをつけていただきました。
やはり雰囲気のいい空間でいただくモーニングは最高です…!
モーニングAセット

モーニングは3種類ほどのセットがありましたが、今回は定番のAセットをチョイス。
トーストにスクランブルドエッグとサラダがついています。
トーストはバターかジャムが選べます。
焼きたてのトーストは表面がカリッと、中がふわっとしており、いい焼き加減。
バターの具合もほどよく、幸せな味がします。
個人的なオススメはスクランブルドエッグ。
ミルキーな優しい味わいが非常においしく、癒やしを与えてくれました。
ストレートコーヒー / メキシコ アルトゥーラ

この日は酸味寄りのコーヒーを味わいたかったので「メキシコ アルトゥーラ」を注文。
ブレンド用に使われることも多い印象の産地ですが、特徴は尖った部分がなく全体にマイルドな印象の優等生的な味わい。
煎りを浅く仕上げているのが、酸味も確かに感じましたがもともとの豆の特徴もあってか、バランスの取れた味わいになっていました。
爽やかな朝には好印象な一杯です。
店舗敷地内に駐車場スペースあり

店舗の敷地内、ちょうどお店の目の前に駐車場が完備されています。
隣はアパートなので、アパートの駐車場と隣接しているため範囲がわかりづらいですが、およそ6〜7台分のスペースがあります。
広いので度入りが楽ちんなのは運転が得意でない筆者にはありがたいです…笑
コーヒー・カンタータで心に栄養を
バッハのコーヒー・カンタータが作曲された当時、実はコーヒーは中毒を引き起こすとして社会問題となっていました。
この楽曲の題材となったのは、そんな流行りのコーヒーを飲む娘とそれを止めようとする古風な父親のやりとりなのだといいます。
そして曲の最後「結局娘がコーヒーを飲むことを止めることはできない」と父は諦め、娘とともに歌いあげ、コーヒー・カンタータは幕を閉じます。
今も昔と変わらず、人間の美味しいものへの興味はとどまるところを知りません。
コーヒーは生きるために必要な栄養を取り込むことができるわけではありませんが、人の心に別の栄養を届けてくれる存在です。
だからこそ、どんな空間で飲むのか、ということが大きな意味を持ってくるのでしょう。
coffee CANTATA はまさに心に栄養を与えてくれる、素晴らしい空間でした。
基本情報
infomation
名称:coffee CANTATA
住所:〒522-0053 滋賀県彦根市大藪町2490
営業時間:8:00-20:00
定休日:月曜日(月曜が祝日の場合、翌日火曜日が休み)
TEL:0749-24-9004
WEB:公式Facebookページ
【mamizu web編集長】滋賀県出身の27歳。大学進学を機に地元を離れ、岡山、札幌、高知などで暮らした後、2018年末に帰郷。改めて地元で暮らすとWEB上の信用できる情報の少なさに気づき、2019年1月に滋賀の観光おでかけメディア『mamizu web』を立ち上げる。個人としては2016年1月にブログを立ち上げ月間10万PV規模のサイトに。外部メディアでライターとして執筆経験も多数。趣味は旅行と写真撮影。