黒壁スクエアや曳山博物館、盆梅展など数多くの人気観光スポットがある長浜市ですが、その中でも定番の観光スポットといえばやはり「長浜城」。
お城の内部は「歴史博物館」として整備され、長浜の歴史を堪能できるスポットにもなっています。
豊臣秀吉が築城したことでも広く知られ、歴史博物館には年間約12万人の来館者があります。
長浜市の人口が約12万人なので、市の人口と同じくらいの人数が毎年ここを訪れていることになりますね。…そう考えるとすごい!
今回はそんな長浜の定番観光スポットである「長浜城&歴史博物館」の魅力を改めてお伝えするとともに、その楽しみ方を地元長浜出身者が解説してみたいと思います。
長浜城の歴史
長浜城といえば「豊臣秀吉が建てたんだよね」くらいの知識はあっても、一体どんな歴史をたどってきたのか、ご存じの方は少ないのでは??
せっかく長浜城に行くのであれば、簡単にその歴史を知っておくとより長浜観光が楽しめますよ!
まずは、ざっくりと長浜城の歴史をおさらいしておきましょう!
長浜城は豊臣秀吉の出世城!
長浜城が豊臣秀吉によって築城されたのは今から約450年前の1573年のこと。
当時、秀吉が仕えていた織田信長は京都に攻め込むために近江に侵攻。北近江の地でおこなわれた激戦「姉川の戦い」での功によって秀吉は湖北三郡を与えられました。
そして、小谷にあった城をこの地に移し、長浜城を築城。地名を「長浜」に変えたのでした。
秀吉にとっては初めて築いた居城であり、その後数年間にわたって在城しました。長浜城での城下町経営がその後の手腕の基礎になったといわれています。
江戸時代には廃城に…
その後、大河ドラマで取り上げられたことでも有名な山内一豊が1583年から6年間城主として在城しました。
彼の在城中の1586年には天正地震によって城が全壊する被害も出たといいます。
江戸時代に入ると、徳川家康の家臣である内藤信成らが城主となりますが、湖北の政治の中心地が彦根に移ったことなどにより、1615年には長浜城は廃城となってしまいます。
市民の熱意で復元!
廃城後、長浜城の材は彦根城の建設などに流用されたといいます。
そんなことあるんですね!驚きです。
そしてその後、長浜城は存在しない期間がしばらく続きます。
しかし、1983年(昭和58年)。市民によって「長浜城を再建しよう」という運動が始まり、犬山城や伏見城を模して天守閣が復元されました。
それが現在の長浜城の天守なんですね。
復元ではありますが、長浜のシンボルとして多くの市民に慕われています。
長浜城を間近で見よう!
そんな長浜の歴史と深く結びつく長浜城、どうせなら間近で見てみましょう!
実は長浜城って、大きさ自体はそれほど大きくないんです。
しかし小さいながらも凛とした表情を持っており、近くまで行って見ると、離れて見るのとはまた違った趣を感じることができます。
自然豊かな豊公園の中を進む
長浜城は豊公園という公園内にあります。
なかなか広い公園なのですが、JR長浜駅方面から訪れると公園に入ってすぐのところに長浜城があります。
周辺には高い建物もないので、長浜城は小さいお城であるにも関わらず結構遠くからでも見ることができます。
JR長浜駅からも見えますし、周辺まで来ればすぐに場所はわかるでしょう。
本丸跡を通過
豊公園内を長浜城天守に向かって歩いていくと、「長浜城本丸跡」と刻まれた石碑に出会います。
ここは現在の模擬天守ではなく、かつての長浜城が残っていた当時の本物の本丸があった場所を示しています。
模擬天守よりもいくぶん琵琶湖よりの場所にあります。
かつての長浜城は城内から琵琶湖へ船で直接出ることのできる構造になっていたので、琵琶湖に近いこの位置にかつての本丸跡があるわけですね。
階段を登ると天守へ到達!
そんな本丸跡を通過するといよいよ天守へと通じる石の階段が見えてきます。
階段下から見上げるとついに長浜城天守が間近に見えてきます。
そして階段を登りきると…
長浜城天守のお目見えです!!
写真で見るよりも実際の城を目の当たりにすると大きさを感じます。
長浜城は天守のすぐ真下に歴史博物館の入口があり、非常に近い位置から眺めることができます。
下から見上げるとなかなかの迫力です。
少し裏へ回り込むと、黒く塗られた門もあります。
手で触れることができるくらいの場所にあるので近づいて見ることもできます。
お城の内部!長浜城歴史博物館へ!
長浜の観光スポットとしてこちらも有名な「長浜城歴史博物館」。
その名の通り、長浜城の内部が歴史博物館として整備され公開されています。
せっかく長浜城まできたのであれば、ぜひとも訪れてみましょう!
入り口は長浜城天守の真下
長浜城歴史博物館の入り口は長浜城天守のすぐ真下。
瓦屋根、白壁などお城のデザインそのままの入り口です。
入り口に入ると左手に受付があるので、そこで入館証を購入します。
一階は受付&お土産コーナー
1階は受付とお土産販売スペースになっています。
お土産販売スペースには長浜のガイドブックを始め、長浜や滋賀に関わるおみやげが並べられています。
中には長浜城らしいこんなおみやげも(笑)
長浜城に来た記念として家で組み立ててみてるのもいいかも?
定番のポストカードも長浜の歴史にちなんだものがずらり。
そして壁にはインパクト抜群の「長浜曳山まつり」の壁絵が!
観光地の定番、顔はめパネルもあります。賤ヶ岳の戦いを率いる秀吉になりきれます。
こちらはこの時に歴史博物館で展示されている企画展のテーマに沿ったものが用意されているようです。
戦国大名のガチャポンもありました…!
ガチャポン自体懐かしいのですが、こんなシリーズがあるとは驚きです。笑
2〜3階は展示室!歴史好きにはたまらない内容
長浜城内部の2階〜3階は歴史博物館の展示室となっています。
ここでは長浜に深く関わっている歴史上の出来事や人物を中心として、様々な企画展が年間を通じて開催されています。
年間の展示スケジュールも公式サイトに載っているのでぜひチェックしてみてください〜
▶公式サイト:長浜城歴史博物館平成30年 年間展示スケジュール
ちなみに展示室内は写真撮影は禁止となっています。
また、企画展の準備のために閉室されていることもあるので、訪れるタイミングに合わせてよくご確認ください。
展望台で長浜を一望!琵琶湖から伊吹山まで
長浜城歴史博物館の中でもイチオシのスポットは、最上階にある「展望台」!
周囲で最も高い建物である長浜城の展望台からは長浜の隅々まで見渡すことができます。
展望台へは2階・3階の展示室から階段を登ってくることでたどり着けます。
階段を登ってくるとまず目につくのは長浜城を中心とした各地の城や合戦場の位置関係を表したマップ。
よく知られた名前も多く、滋賀県湖北は歴史上の重要地点だったことがよくわかります。
天井には方位を表す鉄の飾りも。
上の写真のように東西南北が記されています。
こんな懐かしいものも…!
そして傍らには古めかしい記念メダルの販売機がありました。
かつて観光地にはどこにでもあった記念メダル。
かなり時代を感じます。なつかしいですね〜!
いまだからこそ逆にやってみると楽しめるのでは…?笑
長浜城から琵琶湖を見渡そう!
長浜城の展望台からはこれぞ滋賀県!といった景色を眺めることができます。
もともと城内から琵琶湖に直接舟で漕ぎ出ることができるような構造になっていた長浜城だからこそ、間近に琵琶湖を望むことができるのです。
滋賀県らしい、長浜らしい景色を存分に楽しむことができます。
展望台の手すりには景色とその名称を見比べることができるイラストも!
わかりやすくてありがたいですよね〜!
見る方向によって様々な景観を楽しめるので、なかなか楽しめます。
琵琶湖から吹いてくる風も気持ちいいです!
ついついどこにいるのか忘れてしまいそうになりますが、屋根を見上げるとやっぱりお城なんだなーと思い出します。
展示から展望台まで、長浜を味わい尽くせる場所、それが長浜城歴史博物館です。
琵琶湖岸がすぐ近く!散歩にも◎
長浜城から徒歩にしてほんの数分。
長浜城から琵琶湖は本当に近い位置にあります。
こうやって琵琶湖岸と長浜城を同時に写真に収めることもできるほど。
琵琶湖岸は散歩できるような道になっており、心地よい風に吹かれながら散策することもできます。
長浜城に来たら、同時に長浜の自然を肌で感じる、なんてのも健康的で素敵じゃないでしょうか♪
豊公園の美しさにも要注目!
長浜城が位置する「豊公園」。
長浜城が復元される前の明治42年に整備された公園で、季節ごとにさまざまな表情を見せてくれます。
花見シーズン
花見シーズンは例年長浜曳山祭りの時期とも重なるため、非常に多くの方が豊公園に訪れるシーズンとなります。
明かりも掲げられており、お城と桜と湖を同時に見ることができ、まさに絶景です。
実はそもそもこの豊公園は「桜の名所」としてもよく知られています。
長浜城を囲むようにおよそ600本の桜の木が植えられており「日本さくら名所100選」にも選ばれています。
花見のシーズンには数日間ライトアップも行われるなど、多くの人で賑わいます。
紅葉シーズン
豊公園をてくてくてく。紅葉と長浜城を撮ってみたよ(о´∀`о)。
まだこれから赤くなりそうな木々も発見👀。
今日もぽかぽかお散歩日和だったんだー♪みなさんの所はいかがかな? pic.twitter.com/tMZHAUKw5Y— ひでよしくん (@hideyoshikun_n) 2018年12月2日
さらに紅葉のシーズンも豊公園では美しい光景が見られます。
紅葉を中心にきれいに赤く色づく木々がお城とマッチして絶妙な景観を生み出します。
四季折々の美しい自然と長浜城とのコラボレーションにもぜひ注目してみてください!
広々とした駐車場が便利!
長浜城の近くには豊公園駐車場という市営の大きな駐車場が整備されています。
この駐車場が非常に広々としており、しかも安価なのでかなりおすすめです。
なんと駐車後最初の3時間は無料という大盤振る舞い!
要チェックです…!
長浜城の周辺の観光地
長浜城は正直言って、ここ1箇所だけ訪れるにはちょっと物足りないスポットではあります。
なので周辺の観光スポットと合わせて訪れることをオススメします!
ここでは長浜城と合わせて訪れたい周辺の観光スポットをご紹介します。
慶雲館は徒歩圏内!新春の風物詩「盆梅展」
長浜で例年1月10日〜3月10日ごろの期間に開催される新春の風物詩「長浜盆梅展」。
もし期間中に長浜城周辺に遊びに来るのであれば、盆梅展はぜひとも訪れてほしいスポットです。
日本一の盆梅展を標榜しており、規模・歴史ともに日本最大級の展示会になっています。
会場の慶雲館はお城から徒歩8分ほどの場所にあり、お城と一緒に観光ルートに組み込むのがおすすめ!
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infomation
名称:慶雲館
開館期間:4月1日(土)~12月3日(日) 休館10月7日・8日
開館時間:9:30-17:00(入館16:30まで)※盆梅展開催期間は9:00-17:00(入館16:30まで)
入館料:大人300円 小中学生150円(20名以上は、2割引)※盆梅展開催期間は大人500円 小中学生200円、団体(15人以上) 大人450円 小中学生180円
TEL:0749-62-0740
WEB:公式サイト
長浜最大の観光スポット「黒壁スクエア」
年間200万人が訪れる滋賀県でもトップクラスの観光地である「黒壁スクエア」。
黒壁で統一された建造物群が特徴的で、美術館やギャラリー、カフェなどが立ち並ぶエリアです。
長浜に観光できたら絶対に外せないスポットの一つですね。
おみやげ屋さんも多いので、長浜らしいお土産を買いたいならココでしょう!
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子供連れにオススメ!長浜鉄道スクエア
(スクリーンショット:公式サイトより)
現存する日本最古の駅舎を利用した鉄道の展示施設である「長浜鉄道スクエア」。
本物の蒸気機関車D51に乗ることができたり、制服試着や写真撮影を楽しめるとあって、子供連れに人気のスポットです。
趣のある建築なので、建築を見るだけでもかなり価値があります!
長浜盆梅パスポートでおトクに巡る
2019年は長浜盆梅展の開催期間に合わせて「長浜盆梅パスポート」が販売されています。
このパスポートは盆梅展と市内の主要観光施設12施設から4施設を選んで入館することができる、割安のチケットになっています。
もちろん長浜城歴史博物館も対象となっています。
その他にも飲食店などで割引が受けられる特典もあるなど充実した内容です。
販売価格は1000円、有効期間は2019年1月10日日(木)~2019年3月11日(月)となっています。
長浜をお得に観光できる一冊となっているので、期間中に訪れる幸運な方はぜひ一冊手に入れてみてはいかがでしょうか??
まとめ
豊臣秀吉が最初に築城した城として知られる「長浜城」。
その内部は現在は歴史博物館となっており、長浜や湖北の歴史を伝える場所として毎年多くの人々がおとずれるスポットとなっています。
琵琶湖が目の前に位置するので滋賀県らしい風景を楽しむことができるのも大きな魅力ですね。
また長浜市内の多くの観光スポットにもアクセスしやすい場所にあるので併せて長浜観光を楽しむことができます。
今回の記事で少しでも長浜城&歴史博物館の魅力が伝わっていれば嬉しいです♪
【mamizu web編集長】滋賀県出身の27歳。大学進学を機に地元を離れ、岡山、札幌、高知などで暮らした後、2018年末に帰郷。改めて地元で暮らすとWEB上の信用できる情報の少なさに気づき、2019年1月に滋賀の観光おでかけメディア『mamizu web』を立ち上げる。個人としては2016年1月にブログを立ち上げ月間10万PV規模のサイトに。外部メディアでライターとして執筆経験も多数。趣味は旅行と写真撮影。