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彦根の喫茶スイスはなぜこれほど人々を惹き付けるのか。激安オムライスとハンバーグを食べて見えてきた独自の世界。

彦根の喫茶スイスはなぜこれほど人々を惹き付けるのか。激安オムライスとハンバーグを食べて見えてきた独自の世界。

日本一長い商店街(※)として知られる、彦根のベルロード

そんなベルロードでも1・2を争う有名店と言えば言わずと知れた老舗レストラン「喫茶スイス」です。

わざわざ県外から足を運ぶ人も多く、休日ともなれば店外まで伸びる長蛇の列は日常茶飯事。

おしゃれなカフェが台頭している最近の飲食業界のトレンドとは別のベクトルで愛され続ける、名店の秘密に近づきたくて、今回は喫茶スイスを訪れてみました。

ベルロード公式サイトによると、彦根ベルロード(正式名称「彦根巡礼街道商店街」)は、一事業所としては日本最長の商店街とのこと。

彦根ベルロードの北端まで車を走らせる

多数の商業施設が立ち並び、いつも地元民を中心に人で賑わう「彦根ベルロード」。

日本一長い商店街を標榜していますが、実際に訪れると、商店街というには広すぎる道路が伸びており、幹線道路のような印象さえあります。

そんなベルロードの北端、芹川と呼ばれる川にかかる橋にほど近い場所に、喫茶スイスは位置しています。

駅からも距離があり、公共交通機関で訪れるのは難しい場所柄でもあるため、近くに住む学生など以外は殆どが自家用車やバイクなどで訪れている様子でした。

突如現れる、ツタに覆われた衝撃的な建物

多数の商業施設を両脇に見ながら車を走らせていると突如、道の脇にツタに鬱蒼と覆われた印象的な三角屋根の建て物が現れます。

何を隠そう、この建物こそが「喫茶スイス」なのです。

一体どういう経緯で建てられた建築物なのか、なぜツタを払わずここまで放置したのかーー

頭のなかに湧き上がる数々の疑問。

しかしそんな疑問をねじ伏せるだけの存在感を放つ建物に、何一つ疑問は解決していないのに「なんだかわからないけれど、これで正しいのだ」と納得させられてしまいます。

予約不可につき、連休中は行列必須

お店では予約は受け付けていないため、週末や連休中に来店する際には行列での待ち時間は必須と考えていいでしょう。

私は3月頭の土日の12時過ぎに来店しましたが、15人程度が店の外まで列を成して待っていました。

バイクのツーリングの道中で訪れた団体客。

部活帰りの近所の学生。

週末デートにやってきた若いカップル。

子ども連れでお出かけ中の親子。

世代も性別も背景もバラバラな方々が「喫茶スイス」を目指して集まっている様子に、ますますこのお店の「秘密」が気になってきます。

もちろん建物もインパクト抜群で魅力的なのですが、これほどの人気を集める理由がそれだけとも思えません。

ロッジ風の建築スタイルが多様さをまとめ上げる

店内に足を踏み入れると、そこにはまるで山小屋を思わせるようなロッジスタイルの光景が現れます。

料理を焼き上げるジュージューという音、少し煙たいようなぼやっとした店内の空気、ランプのような照明で照らされる調度品。

雑然としているような、華やかなような、不思議なインテリアの数々に、思わずキョロキョロと店内を見回してしまいます。

統一感はない一方でどこか調和がとれており絶妙なバランス感覚の上に成り立つインテリアたち。

落ち着いた印象を与えるダークブラウンの木材を基調とした建物が、雑然としている店内をまとめあげ、席につくとホッと落ち着くことのできる時間をもたらしてくれます。

店内がこれほど多様なモノ・ヒトで溢れかえっていても、違和感を抱かせないのは、建物の持つ包容力がそうさせているのではないか、そんな気がします。

小手先のインテリアでは如何ともしがたい存在感が、このお店にはあります。

決して肩肘張らずにすごせる空間だから皆で楽しめる

喫茶スイスは、例えばもっと今風のインテリアでオシャレにまとめ上げて、インスタ映えするような店舗にすることも可能でしょう。

しかしそうなれば果たして今ほどの人気を保てるのか。

私はそうではないように思います。

雑然と置かれた独特の調度品も、座り古した椅子も、なぜか私達をホッとさせてくれる。

おしゃれなお店に行く自分に酔いしれるのではなく、仲の良い友人や家族と一緒に肩肘張らずに楽しみたい。

喫茶スイスは力まずに自然体な楽しみ方ができる空間になっているのではないかと私は感じました。

驚きの値段で提供される料理の数々

喫茶スイスの料理の特徴は何と言ってもその「値段の安さ」。

特別に価格の安さを売りにしているわけではありませんが、メニュー表をみて「えっ!?」と驚かされます。

(画像をクリックすると拡大して表示されます。)

1000円を超えるメニューはほとんどなく、通常の店舗の半額近い値段の料理も多数。

本当にこれで経営できているのか、といらぬ心配をしてしまいます。

素朴な料理は、きっといつか思い出してしまう味わい

今回は喫茶スイスでも、特に人気の高い「ハンバーグ」と「オムライス」を見てみましょう。

ハンバーグ・ステーキ

▲ハンバーグ・ステーキ 500円、ライス 100円

まず驚くのは、ハンバーグの「500円」という値段設定です。

注文するときには果たしてどんな料理が出てくるのかとドキドキものですが、実物はこちら。

ジュージューと熱々の鉄板が音を立てており、食欲をそそります。

ハンバーグ自体もわりとしっかりと厚みがあり、飲食店でこれで500円というのは、衝撃の価格と言っても過言ではないでしょう。

パティはひき肉にざっくりと切った大きめのみじん切りの玉ねぎが入っており、シンプルなスパイスの味付けで、素朴な味わい。

独特なのは鉄板の余熱で仕上げるスタイルの鉄板に敷かれた玉ねぎと目玉焼き。

このあたりの仕上がり具合は好みが分かれるところかと思います。

オムライス

▲オムライス 400円

つづいて、オムライスです。

チキンライスを卵で包み、鮮やかなケチャップを添えた定番のスタイル。

こちらはなんと400円というのだから、あっけに取られます。

サイドメニュー感覚でオーダーできてしまいますね。

仕上がりのビジュアルは特別見事というわけではありませんが、安定感のある家庭的な味わいです。

見た目も味も決して派手ではありませんが、何年か経って一緒に訪れた友人との思い出話の中で、ふと思い出す。

そんな料理な気がしました。

ドリンクを飲んで話に花を咲かせる時間

せっかくなのでドリンクも注文してみました。

ホットコーヒー

▲コーヒー(ホット) 250円

店名に「喫茶」の文字を冠しているスイス。

これは一度はコーヒーをのんでみないと、と思い注文。

250円とドリンクもやはりお安い…!

味は食後にぴったりな優しい風味でした。

カルピス

▲カルピス 300円

昔ながらの喫茶店といえばカルピス、というイメージ、みなさんもありませんか?

そんな期待にバッチリ答えてくれる懐かしいスタイルのカルピスが登場です。

チェリーが乗っているだけで、懐かしく嬉しい気持ちになるのは私だけでしょうか。

濃い目の甘みが喉を潤してくれると自然と会話も弾みます。

予定調和を崩してくれる意外性が、旅のスパイスに

彦根は滋賀県内でもおしゃれなお店、素敵なお店が数多く集まる場所です。

そんな彦根にあってなぜこの「喫茶スイス」が高い人気を誇るのか。

その秘密が知りたくて、我々も訪れてみました。

ツタに覆われた三角屋根の迫力のある建築。

ロッジを思わせる内装と、絶妙なバランスの雑多な調度品。

衝撃的な激安価格にひたすら驚かされる、料理の数々。

複雑な魅力の入り組んだお店なだけに、決めては何なのか探しあぐねましたが、共通するのは「意外性」なのではないか、と思い至りました。

インターネットが発達し、情報は簡単に手に入る今の時代。

お店に行く前から、そのお店でどんな体験をできるのかをある程度予想可能になってしまっている現状があります。

そうなると、結局は予定調和。

決められたルートをただたどるだけの体験になってしまうのです。

しかし、喫茶スイスは数々の意外性がいくつも潜んでおり、訪れたそれぞれの人が「予定調和を破壊される」という経験をします。

そうした感覚が、多くの人々の心に刺さっているのかもしれません。

それぞれの旅のひとつのスパイスとして、気になるお店のひとつにリストアップしてみては?

駐車場情報:お店の裏手に広めの駐車場あり

最後に駐車場情報を。

喫茶スイスには基本的には自家用車で訪れることをおすすめします。

お店の正面には数台分しか駐車スペースがありませんが、お店の脇をすり抜けて裏手に向かうと広い駐車場が用意されています。

砂地なので雨が降った日には足元が悪くなることが予想されます。

歩きやすいシューズを用意しておくのもいいでしょう。

基本情報

infomation

名称:喫茶スイス

住所:〒522-0051 滋賀県彦根市中藪町598−2

営業時間:11:00~15:00、17:30~21:00(店舗状況によって異なるので要確認)

定休日:月曜日

TEL:0749-23-6501 (予約不可)

WEB:食べログページ

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